

フォンデュは「溶ける」動きなのに、正しくできていない人が8割以上いると言われています。
「フォンデュ(fondu)」はフランス語で「溶ける」「とろける」という意味の言葉です。動詞 fondre(溶かす)の過去分詞形であり、チーズフォンデュのあの「fondue」とまったく同じ語源を持ちます。つまり、食卓で親しんできたチーズフォンデュの「とろける」イメージは、そのままバレエのフォンデュの動きを理解するヒントになるわけです。これは使えそうです。
バレエの文脈では、正式には「バットマン・フォンデュ(battement fondu)」と呼ぶことが多いですが、レッスン中は単に「フォンデュ」と略して使われます。バットマンは「打つこと」を意味し、フォンデュは「溶ける」。合わせると「溶けるように打つ・動かす」というイメージになります。
フランス語のバレエ用語は最初こそ難しく感じますが、意味を知ると動きのイメージが格段につかみやすくなります。フォンデュが基本です。
| 用語 | フランス語の意味 | 動きのイメージ |
|---|---|---|
| フォンデュ(fondu) | 溶ける・とろける | チーズが熱でとろけるなめらかさ |
| プリエ(plié) | 折りたたむ・曲げる | 膝をやわらかく曲げる |
| バットマン(battement) | 打つ・蹴る | 脚を打ち出す動き |
| ア・ラ・セゴンド(à la seconde) | 横へ・第2ポジション方向へ | 脚を横方向へ伸ばす |
動きの語源を知ることで、先生の指示が耳に入りやすくなるだけでなく、自分の体にどんな感覚を作ればいいかも見えてきます。つまり上達の近道です。
参考:バレエ用語の意味と解説(権威ある公式グロッサリー)
チャコット公式サイト「フォンデュ」バレエ用語解説
フォンデュの基本的な動きは「軸足と動脚、両ひざを同時にプリエして、同時に伸ばす」という点に集約されます。片足のプリエだけを行う動作と混同されがちですが、両脚が連動して動くという点がフォンデュ最大の特徴です。意外ですね。
動きを順番に整理すると、まず①軸足(支える足)はドゥミプリエ、動脚(動かす足)はク・ドゥ・ピエ(足首あたり)の位置からスタートします。次に②動脚は小さなアティテュードを経由しながら、③軸足と動脚を同時に伸ばしていき、前・横・後ろのいずれかへ動脚を伸ばします。繰り返す場合は、④両脚をふたたび同時に曲げてスタート位置に戻ります。
動脚を伸ばす方向によってフォンデュの種類が変わります。前方はドゥヴァン、横方向はア・ラ・セゴンド、後方はデリエールと呼びます。慣れてきたら難易度を段階的に上げることができます。
重心はしっかりと軸足のかかとに乗せること。これが原則です。上半身は常に引き上げを保ちながら、脚だけがとろけるように動くイメージを大切にしましょう。
参考:フォンデュの動きと難易度について詳しく解説されています。
フォンデュは地味に見えますが、コツを押さえると動きの質が大きく変わります。まずは5つのポイントをひとつずつ確認しましょう。
① なめらかにゆったり動かす
チーズが熱でゆっくりとろけていくように、動きを途中で止めず、なめらかに膝を曲げ伸ばしします。カチっと止まってしまうクセがある方は、「チーズが溶けていく」という具体的なイメージを持ちながら動いてみると変わりやすいです。
② 両ひざを必ず同時に伸ばす
フォンデュで最もよくある間違いが「軸足の膝を先に伸ばしてしまう」こと。両脚が同時に伸びないと、フォンデュ特有のなめらかさが失われます。慣れないうちは、軸足プリエの状態をほんの少し長めにキープする意識がちょうどいいです。両ひざ同時が原則です。
③ 脚を上げすぎない
アティテュードの膝の位置を基準に、そのままひざ下を伸ばしていくのが正しい動きです。脚を高く上げようとすると、腰が振れてしまいます。「高さよりもコントロール」だけ覚えておけばOKです。
④ アンデオールをキープする
膝が曲がっているときはアンデオール(外向き)を意識しやすいですが、伸ばす瞬間に内側に向いてしまう方が非常に多いです。動脚のかかとを外に向けるように意識し、伸ばしながらもアンデオールを保ちましょう。
⑤ 伸ばし終わっても「まだ伸びる」感覚を持つ
膝を伸ばしきって終わり、ではありません。動脚のつま先からさらにぐーっと空間を押し出すような感覚を常に持ち続けることで、動きが音楽をたっぷり使った美しいラインになります。これは使えそうです。
| よくある間違い | 正しいポイント |
|---|---|
| 軸足を先に伸ばす | 両ひざを同時に伸ばす |
| 脚を高く上げすぎる | アティテュードの高さをキープ |
| 伸ばすとアンデオールが崩れる | かかとを前・外へ向けてアンデオールを保つ |
| 動きが途中で止まる | 音楽を使って滑らかに流す |
フォンデュは毎回のバーレッスンで出てくる動きだからこそ、一つひとつのコツを丁寧に積み上げることが上達への近道になります。
参考:フォンデュのコツと正しいやり方をイラスト付きで解説
大人バレエ「フォンデュをマスターしよう!意味と5つのコツ」
バーレッスンの中でフォンデュは、プリエ・タンデュ・ロンドゥジャンブの次、ちょうど中盤に登場します。この位置取りには理由があります。
フォンデュの役割は大きく2つです。1つ目は「軸足のプリエを細かくコントロールする力を育てること」。プリエは0か100(まっすぐか深く曲げるか)の二択ではなく、その中間を使いこなすことが求められます。フォンデュではまさにその「0〜100の中間」を繰り返し練習することになるわけです。
2つ目は「ジャンプの着地やアダージオの質を高めること」。フォンデュで養った軸足コントロールは、ジャンプから着地するときに膝をやわらかく受けとめる力に直結します。着地の瞬間にドンッという衝撃音が出てしまう方は、フォンデュの精度を見直すと変わることが多いです。
フォンデュが上手い人はジャンプも上手い、といわれることがあるほど、この関係性は深いです。厳しいところですね。
バーレッスンの一般的な順番で確認してみましょう。
フォンデュはちょうど「ウォームアップが終わり、いよいよ体を本格的に動かす」転換点に位置しています。つまり後半のすべてに影響する動きということですね。日々のレッスンでフォンデュを丁寧に行うことが、実はバレエ全体の土台を固める最短ルートになります。
参考:バーレッスンの順番と各エクササイズの役割が詳しくまとめられています。
バレエのバーレッスンの順番と名前!基本エクササイズの流れを紹介
大人からバレエを始めた主婦の方には、子どもの頃から続けているダンサーとは異なる体の特性があります。股関節の可動域が最初から広いわけではないこと、インナーマッスルが日常生活ではほとんど使われていないこと。この2点がフォンデュを難しく感じる主な原因です。
ただし、大人ならではの「理解してから動く」という強みがあります。これが原則です。子どもは感覚で覚えますが、大人はコツを言語化して理解してから体に落とし込むことができます。フォンデュの語源・仕組み・目的を知った上で取り組むと、習得スピードが大きく変わります。
家での自主練習としておすすめなのが「椅子バレエ」の考え方です。椅子の背もたれを軽くつかみ、バーの代わりにして、フォンデュの動きをゆっくりと繰り返す方法があります。ポイントは軸足のかかとをしっかり床につけること、膝とつま先の向きを常に一致させること。この2つを守るだけで、インナーマッスルへの刺激が大きく変わります。
フォンデュは地味なエクササイズに見えますが、正しく練習を続けると姿勢が改善し、日常の歩き方まで変わってくることがあります。インナーマッスルが育つことで体幹が安定し、家事や育児の疲れ方が変わったという声もあります。いいことですね。
上半身の引き上げを意識したい方には、バレエ用のバーやポールドブラを自宅で練習できるオンライン動画サービスも活用できます。まずはレッスンの復習として、動画で動きを確認する習慣を作ることから始めてみましょう。
参考:大人バレエの効果と体への影響についての詳しい解説があります。
ノアバレエ教室「趣味で始める人が多い!大人のバレエ効果とは?」